ミャンマー・ヤンゴン・日本学校での講演

海外で2番目に設立された伝統のあるミャンマー・ヤンゴン・日本人学校からの御依頼により2023年7月4日、同校にお伺いし鉄道などに関する講演を致しましたので、その概要を下記にお知らせいたします。

ヤンゴン日本人学校学校概要

学校名:在ミャンマー日本国大使館附属ヤンゴン日本人学校
英字表記:YANGON JAPANESE SCHOOL Embassy of Japan(Annex)
所在地:No.1 Thantaman Rd., Dagon T/S, Yangon
設立年月日:1964年(昭和39年)6月3日(バンコクに次ぎ、世界で2番目の歴史を持つ日本人学校です)
学校長:鹿島順
学級数:10クラス(幼稚部1、小学部6、中学部3)
教室:普通教室15、幼稚部教室1
特別教室:理科室、音楽室、図工・美術室、家庭科室、学習室、図書室
その他施設:グラウンド、体育館、アッセンブリホール、放送室、体育倉庫

山岡望海先生による学校紹介

ヤンゴン日本人学校学校の全景

ヤンゴン日本人学校は、昭和39年6月に開校した世界で2番目に歴史のある日本人学校です。コロナ禍の2年間はオンライン授業を続け、令和4年の春に対面での授業を再開しました。

その間、生徒数は一時期の10分の1までに激減しましたが、当地の日本人社会をはじめ多くの方々に支えられて今日に至ります。本校は現地理解教育や日本企業と連携した社会科見学、職業講話などを実施し、次代を担うグローバル人材の育成を目指しています。

ヤンゴン日本人学校の子どもたちは、ミャンマーの豊かな自然、優しい人々と触れ合いながら、元気に学校生活を送っています。

講演内容

2023年7月4日に訪問し先ず初めに、鹿島校長先生から同校の歴史や近況をお聞かせ頂いたり、日本とミャンマーとは17世紀から血の繋がりがあり、ミャンマーの独立には、その祖となったオッタマ僧正及びアウンサン率いる独立の志士30名と共に日本の若者と共に立ち上がり、その母体になったこと、戦後もこのような関係から我が国は特に、ミャンマーに支援と共生を鋭意”進めている”などを校長先生と相互に御話いたしました。

この様な両国の歴史と伝統の中で設立されたヤンゴン日本人学校殿からは有意の人材が数多く巣立っていかれたと御聞きしていましたので、今回、私はこの伝統の基、生徒の皆さん方が今後、夢と希望を持たれ世界に羽ばたく人になって頂きたく思い次項に力点を置きお話させて頂きました。

日本とミャンマーとの深い歴史的な絆、鉄道が社会や環境に果たしている役割、そのために鉄道が最も重要視しなければならない安全第一の原理、現状下にミャンマーの人々に明るい希望を持たせるのであろうミャンマー鉄道と近代化などにつき、途中休憩を含み中学生部の14名の生徒さんへ約2時間の講演をさせて頂きました。

生徒の皆様は、午後の貴重は勉学時間を割いてお話をお聞き下され、御質問もして頂きました。この講演の内容に対する印象、理解及び評価は生徒の皆様方の感想文から紹介させて頂きます。

講演の一コマ

生徒の皆様方の感想(一部分)

「今日は鉄道とミャンマーとの絆をより詳しく説明していただいてありがとうございました。鉄道を通して、日本とミャンマー は 絆を深めていったんだなと感じました。」

「私は13 年間ずっとミャンマーに住んでいて、鉄道があまり身近な存在ではなかったのですが、今回興味深いお話を聞いて鉄道について考えるいい機会になったと思います。車輪の形や角度など普段は知れないお話を聞けて、とても楽しかったです。安全を考慮した構造についても、思っていたよりも複雑であることが分かり感心しました。また日本とミャンマーが昔から深く関わり合っていたこと・・・」

「今日は日本とミャンマーとの絆の歴史やミャンマーの鉄道についてお話・・・両方のお話は、私にはまだ難しい内容で、時々「え…何を言っているんだろう… 」 と分からなくなることが沢山ありましたが、聞いていて面白かったです。その両方のお話の中から、私が「すごいな~」と感じたところは、安全運行システムの ATC やCTCといった装置のことや、鉄道は他の輸送機関に比べ、省エネルギーでCO2の排出が少なく環境に やさしい交通機関だという事、鉄道では、 交通事故死傷者数が 少 なく安全性の高い乗り物だということなど、初めて聞いた話ばかりだったので、「すごいな~」と思えたお話が沢山ありました。いつかもう一度ミャンマーの鉄道に乗りたいです。

◆質問

なぜミャンマーの電車にはドアがないのですか?(注:後刻、この生徒さんには先生を介しお答えしました)

「今日は、お忙しい中僕たちに電車の話をしていただき、ありがとうございました。粘着式鉄道のことや、どうやっ て曲がるのかなどのことがよく分かりました。鉄道には安全性が大切ということもよく分かりました。ウ・オッタマさんのことを聞いてすごい人だということが分かりました。日本の列車がミャンマ ーで動いていることが分かりました。特にどうして脱線しないのか などの話はなるほどと思いました。」

「今日の授業とても興味深くて、勉強になりました。特に鉄道の原理や役割のところが印象に残りました。そして 日本とミャンマーの古くからの絆を知ることができてとてもよかったです。普段知れないことを知ることができるいい機会になりました。思わず誰かに自慢したくなるようなことを教えて下さりありがとうございました。」

「・・・特に(鉄道は)環境にやさしいということに驚きました。なぜなら大きい乗り物と言ったらあまり環境によくないいうイメージがあったからです。新しい知識が増えました。・・・日本とミャンマーは昔から関係していると聞き、ミャンマーにすごく親近感がわきました。そして、ミャンマーの鉄道にも日本が協力したり、昔からレベルの高い鉄道をつくれていた日本のすごさを改めて感じました。アウンサン将軍に ついては調べたことがあり、 ちょっとしたことは 少し 知っていたけれど、お話を聞きもっと深く知ることができました。」

「ミャンマーの鉄道と日本とミャンマーのつながりについてのお話では、日本人がミャンマーに貢献していたことを
知って、同じ日本人として嬉しくなった。私はミャンマーに来て、ミャンマーが抱える問題を知って、どうすればミャンマーがより良くなるのか考えることがあったが、今回のお話で「ミャンマーへの鉄道支援」は様々な方面からミャンマーをサポートできると知った。特に地域差の解消・文化に対する影響は 興味深かった。お話ありがとうございました。」

結び

我が国にとっては誠に深い絆を持ち今後も重要な国家であるこのミャンマーに於いて、今後も日本の子弟殿が多く勉学されることは間違いのない事実であると思います。

私は、同校が今後益々ご発展されることを願っております。

現状下のこの紛争の中で、一生懸命に生徒の皆様方に渾身から教育されている先生方々及び関係各位殿の御苦労に日本人の一人として心中からご苦労様と感謝を申し上げます。

また今回、私の拙講演に対して、貴重な時間を与えて頂き、また種々準備して頂いた鹿島校長先生、山岡先生及び同校の関係各位殿に厚く御礼申し上げます。

髙松重信
(一社)日本ミャンマー友好協会(副会長)

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